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工事注文書・請書のポイント

建設工事

こんにちわ! 今回は『工事注文書・注文請書の取り交わし』のポイントについて書いていきます。

工事を下請負業者へ依頼し、実際に工事を行ってもらうまでに取り交しておく必要のある『工事注文書・注文請書

誤った覚え方をしていると、建設業法違反となる可能性があるかも…..
違反や下請負業者とトラブルにならないよう確認していきましょう!

【注目するポイント】

  1. 見積条件の提示
  2. 書面による契約締結
  3. 適切な工期設定
  4. 支払い条件

大きく4つのポイントに絞りました。これらについて書いていきます。

なお、詳しくは 国土交通省HPの「建設業法令遵守ガイドライン(令和3年7月版)」に記載されていますので、こちらの確認も行うと良いでしょう。

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見積条件の提示

工事を下請け業者へお願いする際には、まず最初に「見積依頼」を行うはずです。

見積依頼にもいくつかの注意点があります。

具体的内容を提示

  • 工事名称
  • 施工場所
  • 設計図書(数量等を含む)
  • 下請工事の責任施工範囲
  • 工程
  • 見積する上での条件,他の工種と関係する事項,特殊部分に関する事項
  • 施工環境,制約
  • 材料費,労働災害防止対策費,産業廃棄物処理費等の費用負担区分

下請負業者に依頼する際の具体的な内容を提示することが重要です。
また、具体的な内容を提示していない場合『建設業法第20条第3項に違反』に該当する場合があります。

内容は書面で提示する

ガイドラインでは、「工事の具体的な内容について、口頭ではなく、書面によりその内容を示すべきである」とされています。

また、作業内容についても明確化することとされております。

適正な見積もり期間を設ける

建設業法では、見積を行う為に必要な一定期間を設けることとされています。

【必要な見積もり期間】

① 500万円未満の工事 ・・・ 1日以上
② 500万円以上 5,000万円未満 ・・・ 10日以上
③ 5,000万円以上 ・・・ 15日以上

上記は、最低限設けなければならない期間となっています。
元請負人は下請負人に対し、十分な見積もり期間を設けるようにしましょう。

書面による契約締結

契約は、下請工事の着工前に書面により行うことが必要です。

契約書面には、建設業法で定めた一定の事項を記載します。

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工期(着手及び完成時期)
  4. 施工を行わない日や時間帯について ※定める場合については記載する
  5. 請負代金の前払いや出来高払いについての定め
    その支払い時期及び方法
  6. 工事下請負契約約款

上記を記載した「工事注文書・請書」により、契約を締結します。

※電子契約
 書面契約に代えて、CI-NET等による電子契約も認められています。
 ですが、その際にも上記内容を満たすものでなければなりません。

適切な工期設定

著しく短い工期設定は禁止されています。
これは、短い工期設定を行うことによって「長時間労働・事故・手抜き工事」の発生につながる恐れがあることから禁止となっています。

違反となるケースを見ていきましょう。

  • 元請負人が、発注者からの早期の引渡しの求めに応じるため、下請負人に対して、一方的に当該下請工事を施工するために通常よりもかなり短い期間を示し、当該期間を工期とする下請契約を締結した場合
  • 下請負人が、元請負人から提示された工事内容を適切に施工するため、通常必要と認められる期間を工期として提示したにも関わらず、それよりもかなり短い期間を工期とする下請契約を締結した場合
  • 工事全体の一時中止、前工程の遅れ、元請負人が工事数量の追加を指示したなど、下請負人の責めに帰さない理由により、当初の下請契約において定めた工期を変更する際、当該変更後の下請工事を施工するために、通常よりもかなり短い期間を工期とする下請契約を締結した場合

これらは、建設業法第19条の5に違反するおそれがあります。

こういったことの無いよう、下請負業者とよく協議を行ったうえで、適切な工期設定を行いましょう!

支払い条件

こちらは、最近改正された箇所もあるので、確認をしておきましょう。

【下請代金の支払い】

  1. 下請代金の支払いは、できる限り現金によるものとする
  2. 手形等により下請代金を支払う場合には、当該手形等の現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないよう、これを勘案した下請代金の額を親事業者と下請事業者で十分協議して決定する
  3. 下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、60日以内とする
  4. 前記1から3までの要請内容については、新型コロナウイルス感染症による現下の経済状況を踏まえつつ、おおむね3年以内を目途として、可能な限り速やかに実施する

上記が、下請代金の支払いについて定められているものとなっています。

特に注目するところは、手形等のサイトが60日以内』です。
今までも下請法では、定められていましたが、建設業には適用されていなかったものです。

おおむね3年以内とのことなので、猶予はありますが、今後は切り替えていく必要がありそうですね。

ちなみに、今までは『120日以内』とされており、それを超える手形期間ですと
長期手形に該当し、「建設業法第24条の6第3項に違反」するおそれがあります。

まとめ

毎年、少しずつ改正されていく建設業法
こまめに確認をしないと、違反しているかも!

建設業法順守のガイドラインは国土交通省のホームページで確認することができますので、ぜひご覧になってください。

それでは!

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