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コンクリート構造物の取り壊し

建設工事

コンクリート構造物の取り壊しにはいくつかの工法があります。

施工条件によって最適な工法を選定することがポイントです。

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検討事項

  1. 騒音・振動の許容度
  2. 対象構造物の形状・部材厚
  3. 取壊し総量
  4. 重機の施工スペースの有無
  5. 施工地盤
  6. 粉塵等の飛散養生の要否
  7. 対象構造物の高さ・壊す向き
  8. 周辺状況(住宅・車道の幅員など)
  9. 鉄筋切断方法
  10. 廃材の搬出方法
  11. 安全性・経済性
  12. 工事期間

各種工法の比較

ハンドブレーカー工法

◎利点

  • 持ち運び易い・移動性に優れている
  • 狭い場所でも作業が可能
  • 安全性が高い

✔欠点

  • 騒音が大きい
  • 振動,粉塵が発生する
  • 上向き作業は危険
  • 作業員の連続作業ができない為、能率が悪い

適用範囲

  • 取壊しの総量が5m3未満などの小規模施工

ジャンボブレーカー工法

◎利点

  • 機動性に優れる
  • 比較的能率が良い
  • 費用が安価
  • 安全性がかなり高い

✔欠点

  • 騒音が大きい
  • 振動,粉塵が発生する
  • 上向き作業は不可
  • 強固な作業床と広い施工スペースが必要

適用範囲

  • 一般的な工法
  • 施工地盤から上下5m程度以内の取り壊しに適する

スチールボール工法

◎利点

  • 能率がかなり優れている
  • 費用が安価

✔欠点

  • 騒音,振動がかなり大きい
  • 飛散物,粉塵が発生する
  • 建物が隣接する場合は不可
  • 安全性が低い
  • 鉄筋の切断は難しい

適用範囲

  • ビルの解体
  • 広範囲を取り壊す場合

圧砕工法

◎利点

  • 騒音は小さく,振動はかなり少ない
  • 能率に優れている
  • 費用は比較的安価
  • 安全性がかなり高い

✔欠点

  • 粉塵が生じるため散水が必要
  • 飛散物が発生する可能性がある
  • 強固な作業床と広い施工スペースが必要

適用範囲

  • 一般的な工法
  • 部材厚150㎝程度までに適する

ウォールソー工法

◎利点

  • 振動,粉塵の発生が無い
  • 騒音が少ない
  • 施工スペースを取らない
  • 安全性が高い

✔欠点

  • 工事費が高い
  • 散水処理が必要
  • 切断後の二次破砕が必要となる場合がある

適用範囲

  • 部材厚50㎝程度までに適する
  • 応用範囲が広い
  • 薄壁に適している

ワイヤーソー工法

◎利点

  • 振動,粉塵の発生が無い
  • 騒音が少ない
  • 施工スペースを取らない
  • 安全性が高い
  • 正確に切断が行える
  • 鉄筋の切断が可能

✔欠点

  • 工事費が高い
  • 散水処理が必要
  • ビニールコードなどの柔らかいものは切断しにくい

適用範囲

  • 切断面積15㎡程度までに適している

静的破砕材工法

◎利点

  • 無騒音,無振動,無粉塵
    ※削孔時を除く
  • 狭小な箇所でも施工可
  • 安全性が高い
  • 施工が容易

✔欠点

  • 鉄筋コンクリートの破壊は困難
  • 時間がかかる
  • 能率が悪い
  • 温度依存性が高い

適用範囲

  • ブレーカー工法の補助的な工法
  • 地中障害物などの取り壊しに適している

ウォータージェット工法

◎利点

  • 振動が少ない
  • 能率が良い
  • 鉄筋コンクリートの切断が可能

✔欠点

  • 騒音がかなり大きい
  • 装置が大型
  • 大量のスラリーが発生する
  • 飛散物が発生する場合がある

適用範囲

  • 軟岩の掘削に用いる
  • 切断深さ70㎝程度までに適する

まとめ

コンクリート構造物の取り壊し工法は複数あるが、現場状況に応じて
適した工法を選択することが重要である。

昨今では、住民の公害に対する関心が高まっているため

状況を把握し、場合によっては工法を変更することもポイントです!

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