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矢板引抜き時の《沈下対策》

矢板を用いた開削工法は、耐久性に優れた鋼材などを土留材に用いることで
転用ができ経済的な土留工法として多用されている。

この工法は、たわみ性のある壁であり、壁体の変形が大きくなることや
矢板引抜き後に周辺の地盤が沈下してしまうことが短所である。

その沈下原因と対策についてみていきましょう。

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引抜き時の沈下の原因

沈下の原因は以下のことが考えられる。

  1. 矢板を引き抜くことで生じる空隙
  2. 矢板の容積
  3. 矢板に付着して上がってくる土砂

またゆるい砂質地盤では、引抜き時の振動によって矢板周辺の土砂が
締固められ、沈下が生じる場合もある。

沈下の対策

沈下対策は『生じる空隙を限りなく少なくすること』がポイント

具体例

土砂の付着が少ないものを使用する
  • 錆が無いきれいな矢板を使用する
  • 変形していない矢板を使用する
矢板打ち込み時の検討
  • 必要以上の打撃による材料破損の発生を無くす
  • 精度の良い打ち込みを行う
引抜き方法の工夫
  • 高周波バイブロハンマなど、土との付着力を断ちやすい機械を使用する
  • 矢板の引抜きをいっきに行わず、土砂との付着を低減させてから引き抜く
引抜き時の空隙充填
  • 引き抜いた空隙にベントナイトモルタルを充填する
  • 砂を投入し、水締めする
矢板の存置
  • 上部を切断し、存置する

まとめ

矢板を用いた土留工法は経済的な工法であるが、
矢板引抜き後に周辺の地盤が沈下してしまう場合がある。

矢板引抜き時に生じる周辺地盤の沈下は、
施工方法の工夫で低減することができる。

対策費用を大きくかけることが対策のすべてではありません。

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