墜落防止を目的とする個人用保護具は、
国際的にみると4種類に分類される場合が多いとされています。
その4種類について書いていきます。
フォールアレストシステム
フォールアレストシステムとは、作業者が開口部等から落下したときに、地面などに激突することを防ぐための保護具のことを言います。
要するに、かつて「安全帯」と呼ばれていた「墜落制止用器具」のことです。
2019年の墜落制止用器具の構造規格の改正により、6.75mを超える高さでの
フォールアレストシステムとしては、フルハーネスのみが認められることと
なっております。
また、フルハーネス型のランヤードには必ずショックアブソーバを
付けなければならないこととされております。
墜落時の作業者の安全を確保するためには、フルハーネス型で
ショックアブソーバのあるものが最も優れており、
極めて効果も高いとされております。
ワークポジショニングシステム
ワークポジショニングシステムとは、作業者がロープに体重を預けて
作業を行うための保護具であります。
注意点として、
こちらはそもそも作業者が落下しないことを前提としており、
2m以上の高所で使用する場合は、バックアップとして
墜落製用器具を併用することとされています。
ロープアクセスシステム
ロープアクセスシステムとは、ロープ等によって作業者が支えられたり
吊られたりした状態で、作業場所を移動するための装置であります。
主に、ロープ高所作業(ビルの窓ふきなどのいわゆるブランコ作業や
のり面保護工事作業)等において使用されています。
なおこちらの注意点としても、2m以上の高所で使用する場合は、
墜落製用器具を併用することとされています。
レストレイントシステム
レストレイントシステムとは、墜落の危険のある箇所へ
作業員が接近できないように、作業者が移動できる範囲
を制限するための保護具であります。
安衛則では、”命綱”と呼ばれております。
この装置は、墜落をしないことが前提であり、墜落の危険性の
ある箇所へは、近づけないという仕組みから、墜落製用器具を
併用する必要は無いとされております。
しかし、高所作業では墜落するリスクを完全に排除することが
出来ないため、フルハーネス型を使用することが望ましいと
されております。
以上が、4種類の「墜落を防止するための個人用保護具」であります。
建設業で最も多い墜落・転落災害
未然に防ぐことと、起きた際にどれだけ被害を抑制できるかが
重要となりますね! それでは!