コンクリートの打設中や締固め後にコンクリート表面に『水』が浮かんできます。
これは、ブリーディング水と言い、なぜ出てくるのか見ていきましょう。
ブリーディングの発生する要因と影響
コンクリートの配合設計のうち、
セメントの水和反応に必要な水は約60%程度と言われている
残りの40%はワーカビリティーの確保に必要な水であり、
その水が打ち込み後に、『余剰水』となる
ブリーディングは、この余剰水の一部が粒子や骨材の沈下に伴って上方に集まる水の遊離現象で、ブリーディングにより浮上する水を『浮上水』や『浮遊水』という
ブリーディングは、セメントが凝結を始めてから
その凝結が安定状態に達するまで続くとされている
ブリーディングには、コンクリート内部の微粒子がともに浮上する『レイタンス』の発生が伴う
レイタンスは、鉄筋の付着強度,水密性の低下や沈下ひび割れの発生など
悪影響を与える場合がある
しかし、ブリーディングにはコンクリート打設後に表面から
急激な水分の蒸発を防ぐことで初期のひび割れを防いだり、
表面仕上げを円滑に行えるようにする効果もある
ブリーディングの抑制方法
コンクリート
- 単位水量を減らす
- AE剤の使用
- 減水剤の使用
セメント及び骨材
- 粉末度を高くする
- 微粒部分を多くする
- ポラゾン(シリカ質混合物)を用いて微粒分を補う
打設条件
- ブリーディング継続時間は、コンクリートのリフト高さが低い場合ほど早く終わる
- 打設速度は、30分に1~1.5m程度とする
気象条件
- 気温が低いとブリーディングが大きくなり、継続時間が長くなる
まとめ
ブリーディングは、コンクリート打設後に内部の余剰水が
表面に浮上する現象で、材料分離現象の一種である。
ブリーディングはレイタンスや欠陥部分の原因となり得ます。
適切な処理を行いましょう。