『載荷盛土工法』とは、軟弱粘性土地盤おいて圧密沈下を促進し、
残留沈下量を低減したり、地盤の強度増加を図る目的で
あらかじめ盛土荷重によって載荷する工法である。
載荷盛土工法には2種類の工法があり、そのポイントを見ていきましょう。
載荷盛土工法
プレローディング工法
構造物の構築に先立ち、構造物荷重分の盛土荷重を載荷し、
構造物の沈下及び地盤支持力の対策を行う工法
地盤の圧密を促進させ、強度を増加させた後に載荷した盛土を除去する
サーチャージ工法
あらかじめ計画以上の盛土荷重を載荷し、圧密沈下を促進させる工法
計画盛土高に対して生じる最終圧密沈下量と同程度の沈下を生じさせ、
その後余盛部分を除去し、成形することで供用後の残留沈下量を低減させる
載荷盛土の撤去時期
載荷盛土の撤去を行う時期を決めるためには、載荷後の残留沈下量が、
計画していた許容残留沈下量以下になることが必要である。
載荷盛土工法の設計においては、載荷盛土による最終圧密沈下量と
再載荷重による最終圧密沈下量及び沈下傾向を理論計算にて予測している。
この予測の沈下量と実際の沈下量が同じ場合には、
予定の放置期間を向かえれば盛土を撤去することが出来る が、しかし
理論値と合うことは、稀である。
そのことから、実際の沈下量の実測データから今後の予測を行うことが必要となってくる。
予測判断のポイント
- 載荷盛土荷重による最終圧密沈下量
- 載荷盛土撤去時の圧密沈下量
- 再載荷重または将来荷重による最終圧密沈下量
- 再載荷後の残留沈下量
- 載荷盛土撤去時のリバウンド量
この1・2については、統計的手法で実測データを当てはめることで予測することが出来る。
方法としては、双曲線法,星埜法,浅岡法,門田法,log t 法 がある。
3・4・5については、過去の実績などから仮定して計算して求めるしかない。
その他のポイント
- 双曲線法により残留沈下量を推定する場合、圧密初期では誤差が大きい為、
10%以内の誤差とするには圧密度が60%~80%以上必要となる - 載荷期間は可能な限り長くすることが望ましい
- 最低でも圧密度を80%以上まで載荷しておく必要がある
- 実際の載荷盛土の荷重の大きさを確認する
盛土の密度,地下水位,盛土厚さなど - 確認のためのボーリングをおこない、間隙水圧の減少度合いや
一軸圧縮強度,圧密試験結果などで載荷盛土の効果を確認する - 軟弱層が複数層に分かれている場合は、層別の沈下計により各層ごとに計算する
- 軟弱層の厚さ、土層分布、盛土高さ及び計画放置期間など同一条件の
区域ごとに盛土撤去時期の検討や追加盛土の検討を行う
まとめ
載荷盛土工法には、『プレローディング工法』と『サーチャージ工法』の
2種類の工法がある。
載荷盛土工法は残留沈下量を低減させる工法であり、
可能な限り工期や工事費を考慮したうえで長期間の載荷をすることが望ましい。
どちらの工法も、載荷盛土の撤去時期について十分な検討を行うことが
工事を成功させるポイントである。
『圧密度が80%以上』が載荷盛土撤去の目安です。