こんにちわ! 今回は、工程管理について書いていきたいと思います。
工程管理とは、定められた工期内において工程の計画と実施の管理を目的とするものであります。
工事の品質及び工事の原価は、工程速度に大きく影響されるものであるため、工程管理は、施工管理のなかでも重要な項目であります。
工程管理をマスターすることで、工事の最初から最後の納まりまで把握することができ、最小の費用で最大の生産を上げることが実現できます。
【施工の4大管理『安全管理』『品質管理』『工程管理』『原価管理』】
工程管理の手順
工程管理の手順は、一般の施工管理の手順と同様であって、
【 計画(plan)→実施(Do)→検討(check)→処置(Action) 】
いわゆる、PDCAサイクルに分けて行う。
計画工程表の作成・実施
まず最初に計画工程表を作成し、それに基づき工事を実施し、毎日、毎週及び毎月定期的に工事進捗の実績を工程表に記入し、計画工程と実施工程とを比較する。
実績が計画に対してどのようになっているかチェックし、できるだけ計画に沿って工事が進行するよう管理する。しかし、計画工程と実施工程に大きな差が生じた場合(計画に対し±10%程度)には計画あるいは実施体制等に問題があることが分かる。
計画の見直しを行い、必要な処置をとる必要がある。そして、再計画された工程表に基づき再度、実施―検討―処置の各手段を実行することが一般的な工程管理である。
PDCAサイクル
計画(Plan)
工程計画を立てるには、現場条件を考慮した施工方法,施工順序等の基本方針に基づき、各単位作業の作業手順及び作業日数を定め計画工程表を作成する。
計画を行う際、労務・資材・機械設備等について使用計画を十分に検討し、内容を把握しておかなければならない。
- 各単位作業をピックアップし、作業手順及び作業日数を定める。
- 全工事が工期内に完了するように、工種別工程の組み立てを行う。
現場状況に応じ、作業をラップさせたり、2班体制で進捗を上げる等々検討を行う。 - 全工程を確認したときに、労務・資材・機械に過度な集中時期や待ち時間が発生しないように工程を調整する。
- 上記を踏まえ、計画工程表を作成する。
実施(Do)
作成した計画工程表をもとに、労務・資材・機械設備等の手配、段取りを行い、工事の指示,監督を行う。
検討(Check)
工程の進捗状況を把握し、計画工程と実施工程の比較を行う。
処置(Action)
工程の進捗状況が計画と差が生じている場合(計画に対して±10%程度)や安定していない場合は作業改善を行い、工程促進を図るなど是正処置をとり、場合によっては、工程表を組み変えるなど再度計画を見直す。
工程表の種類
一般的に使用されている工程管理手法 4種類をご紹介します。
横線式工程表(バーチャート)
バーチャートは作成が簡単で、一般的に用いられることが多いです。
長所
- 作成が容易である
- 進捗状況が直視的にわかる
- 修正が容易である
短所
- 作業の相互関係が不明確
- 部分的な変更があった場合に、全体的に及ぼす影響がわかりにくい
- あいまいな要素が入りやすい
ネットワーク式工程表
長所
- 各作業間の相互関係が明確である
- 部分的な変更があった場合、全体に及ぼす影響を数量的に把握できる
- 複雑なプロジェクトの総合管理に適している
- クリティカルパスによる重点管理ができる
短所
- 作成に手間がかかる
- 手法を理解するのに時間がかかる
- ネットワークの組立がむずかしい
- 修正が比較的むずかしい
曲線式工程表(バナナ曲線)
このバナナ曲線は、バーチャートと併せて使用することが多いです。
長所
- 総合出来高金額による管理であるので作業進行の度合(出来高率)が把握しやすい。
短所
- 作業の手順が不明確
- 作業に必要な日数、工期に影響する作業がつかみにくい
座標式工程表(斜線式)
おそらくこの工程表は、使用する工事が限定的なのかなと思います。
実際に私自身これまで使用したことがありません…
長所
- トンネル工事のように進捗が距離のみによる場合は、すべての工種が枠内に表現できる
- 施工順序、日程のズレなどが直視的にわかる
- 施工場所と施工時期の進捗状況が直視的にわかる
短所
- 工種間の相互関係が不明確
- 部分的な変更があった場合に全体に及ぼす影響がわかりにくい
- あいまいな要素が入りやすい
以上、4種類の工程表が代表的なものとなりますが、私がよく使用しているのは、
バーチャート+曲線式工程表であります。
この組み合わせでは、作業の進捗が直視的に確認でき、出来高の確認も併せて行うことができます。
最後に
自分に合った工程管理方法を確立し、工程管理をマスターすることで、段取り良く現場を円滑に進めることができます。
手戻りも無く、最短日数かつ最小の投資で現場を終えることで、利益確保にも繋がります。
また、効率よく工程管理を行うことで、より多くの現場を生産することができます。
段取りの良い現場は、協力業者の利益確保にも繋がり、今後も快く引き受けてくれるため、対外的にも良好な関係を築いていけるのではないでしょうか。
初めての現場でも、以前やったことのある工種でも、現場ごとに条件が変わってきます。
そのため、最初の計画(Plan)が一番重要と個人的には思っております。
昔から「段取り八分」と言われております。
円滑な工事の進捗を目指し、生産性を上げるため頑張っていきましょう!!
それでは!
【施工の4大管理『安全管理』『品質管理』『工程管理』『原価管理』】